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メディカルラボ通信

2022年8月号『押さえるべき2023年度医学部入試の変更点』

2022.8.29 公開
 ここ最近,日が落ちるのが早くなってきたと感じます。つい先日まで19時過ぎでも明るかったのですが,最近は18時には薄暗くなっています。まだまだ暑い日が続いていることもあり,なかなか実感しにくいですが,受験本番までの残り日数は少しずつ減っているのです。一日一日を大切にして学習に取り組んでいきましょう。
 さて,今回のメディカルラボ通信は「押さえるべき2023年度医学部入試の変更点」として,各大学が発表している変更点を押さえるとともに,実際の入試における影響などについてお伝えします。

2023年度医学部入試の変更点とその影響

① 募集人員の変更

 医学部の入学定員は,平成18(2006)年から令和3(2021)年にかけて,地域の医療確保の観点や,研究医養成のために増員を続けてきた結果,令和3年度の定員は9,357名に達しました(この数字には平成28年度に開設した東北医科薬科大学医学部(100名)と平成29年度に開設した国際医療福祉大学(140名)を含んでいます)。しかし,現在の定員をこのまま維持していくと,遅くとも2032年には医師の需給が均衡に達し,「医師過剰」状態になることが予測されています。そのため,将来的には抑制する方向で議論が進んでいます。2022年度以降の入試の定員については,2020年春までに方向性が決まる予定でしたが,新型コロナウイルス感染症の影響で議論がストップしたことにより,一旦現状維持となりました。
 とは言え,将来的な定員削減に向けて「一般選抜の定員を減らし,学校推薦型選抜や総合型選抜の定員を増やす」などの対応を始めている大学もあります。私立医学部では,例えば帝京大学の場合,全体の定員は116名を維持していますが,一般選抜で3名減,共通テスト利用で2名減とし,その分学校推薦型選抜で5名増としています。兵庫医科大学も同様に一般選抜で7名減とし,その分を学校推薦型選抜と新設の総合型選抜の定員に充てています。国公立医学部では,2022年度ほどの大きな定員減はないものの,岡山大学が一般選抜〔前期〕で3名減,愛媛大学が学校推薦型選抜で15名減など定員減に動く大学がちらほらと見られます。
 定員が少なくなれば,相対的に志願倍率が上がります。したがって,合格可能性を高めるためには志望校選びにおいても「出願要件を満たしているならば,一般選抜だけでなく学校推薦型選抜も受験してみる」,「地域枠も視野に入れて考える」などの対応が必要となるわけです。

② 地域枠の新設・定員増

 ①で医学部の定員は将来的に抑制する方向で進んでいるとお伝えしましたが,全体としての人数は減らしつつも,地域枠については新設や増員が認められることになっています。
 その背景にあるのが「医師数の地域格差」です。厚生労働省は2019年に医師偏在の度合いを示す指標として「医師偏在指標」(参考:厚生労働省Webサイト)を発表しました(詳細な計算式は下記注釈を参照)。これによると,最高値の東京都は329.0だったのに対し,最低値の岩手県は169.3とおよそ2倍の格差が生じています。また,さらに細かい地域別で見ると,最高値は東京都区中央部で759.7,最低値は秋田県北秋田で69.6と10倍以上の格差が生じており,居住地域によって充分な医療が受けられるかどうかが決まるという状況になっています。
 この状況を少しでも改善するため,医師不足の自治体は各大学に働きかけ,地域枠の新設や増員に尽力しています。ここ最近では新潟県の動きが活発で,2023年度入試では日本医科大学に地域枠が新設されます。また,新潟県と同様に医師不足に悩んでいる埼玉県についても東京医科大学や東京医科歯科大学などで地域枠が新設されます。さらに,和歌山県立医科大学では「産婦人科」「小児科」「精神科」に従事する医師数を増やすための育成枠を新規に募集します。
 一般的に,地域枠は本人の居住地域や出身高校などに制限がある場合が多いのですが,出身地や出身高校に制限がなく全国どこからでも受験可能なものもあります。もちろん,「なぜその地域枠を志望するのか」という質問に対して,明確に回答できるようにしておく必要はありますが,医師免許取得後の勤務地の制約などに問題がなければ,受験校の候補として検討してみても良いのではないでしょうか。

※医師偏在指標=標準化医師数/地域の人口÷10万×地域の標準化受療率比
※標準化医師数=Σ性年齢階級別医師数×(性年齢階級別平均労働時間/全医師の平均労働時間)
※地域の標準化受療率比=地域の期待受療率÷全国の期待受療率
※地域の期待受療率=Σ(全国の性年齢階級別受療率×地域の性年齢階級別人口)/地域の人口


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