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医者の種類(診療科)にはどんなものがある?それぞれの仕事内容や特徴も紹介

「将来、医者になりたい」と漠然と考えているものの、「医者にはどんな種類があるの?」「自分はどの科に向いているんだろう?」と疑問に思っていませんか。

一口に「医者」と言っても、その専門分野は多岐にわたります。ドラマで見るような天才外科医や、患者さんの心に寄り添う精神科医、地域の人々の健康を支える町のお医者さんもいます。

この記事では、将来の進路に悩むあなたのために、医者の種類(診療科)を網羅的に解説します。それぞれの仕事内容や特徴などを知ることで、あなたが目指したい医者像がきっと明確になるはずです。

基本領域とサブスペシャルティ領域

まずは、2種類ある医者の業務領域について説明します。

医者を目指す人は6年間の医学部を卒業後、2年間の初期臨床研修を受けます。その後、専門医を目指す医者が最初に選択するのが「基本領域」です。
基本領域を学んだ後に、さらに専門的な「サブスペシャルティ領域」を極めていきます。

基本領域

医者が最初(初期臨床研修後)に目指す、19の基本的な専門分野です。 内科や外科、小児科などがこれにあたります。
まずはこの基本領域の専門医資格を取得することが一般的です。

内科

小児科

皮膚科

精神科

外科

整形外科

産婦人科

眼科

耳鼻咽喉科

泌尿器科

脳神経外科

放射線科

麻酔科

病理

臨床検査

救急科

形成外科

リハビリテーション科

総合診療科

 

サブスペシャルティ領域

基本領域の専門性をさらに深めた、より専門的な分野です。
例えば、「内科」という基本領域の専門医が、さらに「循環器内科」や「消化器内科」の専門医資格を取得する、といったキャリアパスがあります。
これにより、医者は特定の分野のスペシャリストとして活躍していくことになります。

医者の種類(診療科)

医者の専門分野は「診療科」と呼ばれ、どの科を専門にするかによって、仕事内容や働き方が大きく変わります。以下では、大きく「内科系」「外科系」「その他」に分けて一覧でご紹介します。

内科系

薬物治療や生活指導が中心です。 体の内側からアプローチして病気を治します。診断のためにさまざまな検査を駆使し、論理的に病気の原因を探っていく能力が必要になります。風邪や高血圧、糖尿病などの疾患を扱います。

内科系の診療科(例)

内科(総合内科)

消化器内科

循環器内科

呼吸器内科

腎臓内科

糖尿病・内分泌内科

脳神経内科

血液内科

膠原病・リウマチ内科

外科系

手術が中心です。 病気や怪我をした部分を直接切除したり修復したりします。
手先の器用さや体力、瞬時の判断力が求められます。骨折、がん、脳腫瘍などの疾患を扱います。

外科系の診療科(例)

外科(一般外科・消化器外科)

整形外科

脳神経外科

心臓血管外科

呼吸器外科

麻酔科

その他の主要な診療科(例)

内科系・外科系という枠組みに収まらない、独自の専門性を持つ診療科です。

小児科

産婦人科

精神科

皮膚科

眼科

耳鼻咽喉科

泌尿器科

放射線科

救急科

リハビリテーション科

病理診断科

臨床検査科

主要な診療科の仕事内容と特徴

ここでは、特に馴染み深い診療科をピックアップし、それぞれの仕事内容や特徴を詳しく解説します。

内科

風邪や腹痛といった日常的な病気から、高血圧、糖尿病などの生活習慣病、さらには専門的な内臓の病気まで、手術以外の方法で治療を行う診療科の中心的役割を担います。

【仕事内容】
患者さんの話を詳しく聞き(問診)、診察や検査を通じて病気の原因を特定します。主な治療方法は、薬の処方や生活習慣の指導です。どの科を受診すればよいか分からない患者さんを最初に診察し、適切な専門科へつなぐ「総合案内」のような役割も重要です。

外科

病気や怪我で損傷した部位を、手術によって治療する「花形」ともいえる診療科です。扱う範囲は広く、胃がんや大腸がんなどの消化器外科、心臓のバイパス手術などを行う心臓血管外科、交通事故による外傷など多岐にわたります。

【仕事内容】
手術が仕事の中心ですが、術前の診断や説明、術後の患者さんの管理も非常に重要です。手術には高い集中力と体力、そしてメスを握るなど、繊細な技術が求められます。チーム医療の中心として、多くの医療スタッフと連携しながら治療を進めます。

小児科

生まれてすぐの新生児から中学生くらいまでの子どもを対象に、心と体の病気全般を診る診療科です。

【仕事内容】
子どもは症状をうまく言葉で伝えられないことが多いため、保護者の話を聞きながら、注意深く診察する必要があります。風邪や感染症、アレルギー、発達に関する相談など、扱う範囲は非常に広いです。子どもの成長を見守り、家族全体を支えるやりがいのある仕事です。

産婦人科

妊娠・出産をサポートする「産科」と、女性特有の病気を扱う「婦人科」の2つの側面を持つ診療科です。

【仕事内容】
産科では、妊婦健診から分娩、産後のケアなど、新しい命の誕生に立ち会います。婦人科では、子宮筋腫や卵巣のう腫、更年期障害などの診断・治療を行います。生命の誕生という喜ばしい瞬間に立ち会える一方、緊急の対応も多く、責任の大きな仕事です。

精神科

うつ病や統合失調症、不安障害、依存症など、「こころ」の不調や病気を扱う診療科です。

【仕事内容】
薬物療法と並行して、カウンセリングなどの精神療法を通じて患者さんの心の回復をサポートします。何よりも重要なのは、患者さんの話にじっくりと耳を傾け、信頼関係を築くことです。目に見えない「こころ」を扱う難しさがありますが、患者さんが自分らしい生活を取り戻す手助けができる、非常にやりがいのある分野です。

整形外科

骨、関節、筋肉、神経といった、体を動かすための器官(運動器)の病気や怪我を専門に扱う診療科です。

【仕事内容】
骨折や脱臼、捻挫などの外傷から、腰痛、膝の痛み、スポーツ障害、リウマチまで幅広く対応します。治療法は、手術、投薬、リハビリテーションなどさまざまです。子どもから高齢者まで患者層が広く、超高齢社会の日本ではますます需要が高まっています。

皮膚科

アトピー性皮膚炎やニキビ、じんましん、皮膚がんなど、皮膚に関するあらゆるトラブルを診断・治療する診療科です。

【仕事内容】
塗り薬や飲み薬による治療が中心ですが、簡単な手術(ほくろの切除など)を行うこともあります。命に直接関わる疾患は少ないですが、見た目に現れる症状が多いため、患者さんのQOL(生活の質)に大きく影響します。

眼科

近視や乱視、白内障、緑内障、網膜剥離など、「目」に関する病気を専門に扱う診療科です。

【仕事内容】
視力検査や眼圧測定などの検査を行い、点眼薬や飲み薬による治療、レーザー治療、手術などを行います。特に白内障の手術などは非常に多く行われており、繊細な技術が求められます。人々の「見る」という大切な機能を守る、重要な役割を担っています。

ニーズの高い診療科や開業しやすい診療科は?

診療科の種類は数多くあり、社会の変化に伴って求められる医療も変わるため、どの診療科を目指すべきか悩む人も多いでしょう。
以下では、ニーズの高い診療科や開業しやすい診療科などをまとめました。

ニーズが高いとされている診療科

●整形外科、リハビリテーション科
日本の超高齢社会において、運動器の疾患を持つ高齢者が増えるため、ますます需要が高まります。

●総合診療科
特定の臓器だけでなく、患者を総合的に診る能力が求められ、在宅医療や地域医療の担い手として期待されています。

その他、QOLを重視して皮膚科眼科整形(美容)外科精神科などもニーズが高い傾向があります。

開業しやすい診療科

クリニックでの診療が中心で、大掛かりな設備投資が不要な科は開業しやすいと言われます。
具体的には、内科小児科皮膚科眼科耳鼻咽喉科精神科などが挙げられます。
これらの科は、地域に根差した「かかりつけ医」としての役割を担いやすいという特徴もあります。

難易度が高い・やりがいのある診療科

一般的に、緊急手術や急患の対応が多い科は、肉体的・精神的な負担が大きく、忙しいと言われていますが、その分やりがいの大きい診療科です。

●救急科
時間や状態にかかわらずさまざまな急患が運ばれるため、柔軟な対応力が求められます。

●脳神経外科、心臓血管外科
人の生命に直結する非常に繊細な手術が多く、長時間に及ぶことも少なくありません。

●産婦人科
お産は24時間365日、いつ始まるか予測がつかず、緊急の帝王切開などにも対応する必要があります。

※収入や忙しさなどは病院や個人によって異なり、必ずしも全てが当てはまるわけではありません。
また、診療科を選ぶ基準は収入や人気などだけではないため、あくまでも参考としてご覧ください。

医者になるまでの基本的な流れ

医者の種類を知ると同時に、そこに至るまでの道のりについても理解しておきましょう。

医学部入学から卒業まで

まず、大学の医学部(6年制)に入学します。最初の1~2年で一般教養を学び、その後、基礎医学(解剖学、生理学など)や臨床医学(各診療科の知識)を学びます。
高学年になると、実際に病院で実習(臨床実習)を行い、指導医のもとで患者さんと接しながら実践的なスキルを身につけます。

医師国家試験と初期臨床研修

医学部を卒業すると、医師国家試験の受験資格が得られます。この試験に合格することで、晴れて医師免許を取得できます。
しかし、すぐに専門医として働けるわけではありません。免許取得後、まずは2年間の「初期臨床研修」が義務付けられています。 この期間に、内科、外科、救急科など複数の診療科を回り(ローテート)、医者としての基本的な知識や技術を幅広く学びます。

専門医資格の取得

2年間の初期臨床研修を終えた後、いよいよ自分の専門とする診療科を決め、「専攻医(後期研修医)」として3~5年程度の専門研修プログラムに進みます。
この専門研修を修了し、専門医認定試験に合格することで、ようやく一人前の「専門医」として認められます。

 

医者になるまでの流れについては以下の記事で詳しく紹介していますので、よろしければこちらもご覧ください。

医学部は何年通う必要がある?大学院の必要年数や医者になるまでの流れを解説

医者を目指すなら、まずは医学部合格を掴もう

本記事ではさまざまな診療科を紹介しましたが、いずれも人々の生活や人生に関わるため、やりがいと責任は大きいでしょう。どのキャリアに進むかは人それぞれですが、医者としての道を歩むなら、その第一歩として医学部に進学しなくてはなりません。

医学部受験は狭き門であり、高い学力はもちろん、各大学の入試傾向に合わせた専門的な対策が必要になります。
そこでおすすめなのが予備校に通うことです。

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