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メディカルラボ通信

2022年5月号-①『医学部を目指すための学習アドバイス~化学編~』【前編】

2022.5.23 公開
2022.7.26 更新
 
 5月も半ばを過ぎ,受験生の皆さんは第1回のマーク模試,記述模試が終わりましたね。この時点ではなかなか実力を発揮できなかった人もいたかと思いますが,今回できなかった部分をしっかり復習して,今後の学習につなげていきましょう。
 さて,今回はメディカルラボの化学講師の早川泰之先生に,22年度入試の傾向を分析していただくとともに,医学部を目指す上で必要な学習のポイントについてアドバイスをいただきました。
 【前編】では「大学入学共通テストの化学の振り返り」と「私立医学部入試の化学の出題傾向」についてお伝えします。

大学入学共通テストの化学の振り返り

 2022年1月15日(土)・16日(日)に実施された大学入学共通テスト(以下,共通テスト)は2回目となり,どの教科・科目においても,2021年度の出題内容・形式との比較に注目が集まりました。ここでは,医学部受験生が選択した理科②の「化学」(本試験,以下「化学」)について取り上げます。今後,効果的な対策を進めていくために,出題傾向などの特徴をみていきましょう。
 2022年度の「化学」の解答時間・配点は,大学入試センター試験(以下,センター試験)と同様,60分・100点でした。「化学」の平均点は47.63点で,これは理科②(物理・化学・生物・地学)の中で最も低い平均点となりました。最も高い「物理」(平均点60.72点)とは13.09点の差となりましたが,2021年度本試験(第1日程)の得点調整前の「化学」(同 51.06点)と「生物」(同 72.65点)の差21.59点よりは小さく,得点調整は実施されませんでした。
 内容的には,2021年度と同様,共通テストへの対応力によって得点にばらつきが出やすい傾向がありました。ここで,文部科学省の大学個別試験に向けての通知「令和4年度 大学入学者選抜実施要項」の一部を記します。
・基礎的・基本的な知識・技能(以下「知識・技能」という。)
・知識・技能を活用して,自ら課題を発見し,その解決に向けて探究し,成果等を表現するために必要な思考力・判断力・表現力等の能力(以下「思考力・判断力・表現力等」という。)
「令和4年度 大学入学者選抜実施要項」
 国公立医学部や難関私立医学部を目指している受験生は,普段から上記の「知識・技能・思考力・判断力・表現力」を含む問題演習をこなしているため,共通テスト本番でも実力を発揮できたと考えられます。一方,その次の得点層では,従来のセンター試験には強いが,共通テストはやや苦手という受験生が多かったです。このような受験生は柔軟な対応力を培うような対策を進めていくことで,もっと得点を伸ばせる位置にいると言えます。
 ここで,2022年度の共通テスト本試験「化学」について,2021年度から変わった点,変わらなかった点をそれぞれ振り返ってみましょう。
【変わった点】
 平均点に大きな変化があり,2021年度の57.59点から47.63点へとかなり下がりました。ただし,これは得点調整後の平均点との比較です。得点調整前(51.06点)との差を見ると3.5点以内にとどまっており,問題そのものの難度はほぼ変化しなかったと考えられます。
 また,2021年度や試行調査で出題されていた共通テストの特徴の中で,
  ・方眼紙にプロットしたグラフを用いて答える問題
  ・連動形式の問題(誤答を用いて次の問題を正しく答えた場合に得点。試行調査にて出題)
  ・課題研究に関する問題(レポートや文献調査など)
などは2022年度は見られませんでした。ただし,これらの内容は今後再び出題される可能性がありますので注意しておきましょう。
【変わらなかった点】
 大問数は5題(各大問20点)であり,各大問の出題分野の振り分け第1問:理論,第2問:理論,第3問:理論/無機,第4問:有機/高分子,第5問:総合(理論/有機/高分子)〕は2021年度と同様でした。 従来のセンター試験のような高校教科書での登場順〔理論→無機→有機→高分子〕でなく,複数の分野を含む大問形式が特徴です。最後の第5問は,2021年度のグルコースの化学平衡,2022年度のアルケンの反応速度に関する問題のように,有機化合物を題材とした理論分野の問題形式が定着していく可能性があります。
 その他,
  ・身の回りの物質に関連する問題(肥料,光ファイバー,排ガスなど)
  ・計算結果の数値を各桁の数字で答える問題(第5問 問2のc・d)
などは,2022年度も出題されており,全ての大問が必答(センター試験では選択問題が設定されていた)という形式も踏襲されていました。
 実施2年目となったことで,試行調査の頃と比べて,共通テストの傾向がはっきりしてきました。対策キーワードは「化学の総合的思考」です。一見,それまでの学習の中で物質の構造・性質のつながりに気づかなかった項目を関連づけて問題を解くことが求められています。メディカルラボでは,このような問題を常に分析した上で,入試対策としてわかりやすく効率的に指導をしています。


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