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メディカルラボ通信

2023年5月号『医学部を目指すための学習アドバイス~物理編~』

2023.5.24公開
 
 5月も半ばを過ぎました。コロナ2019も5類対応となり,日常生活も少しずつ以前の様相を取り戻しつつあります。しかし,ここ最近は夏のような暑さだったかと思えば,翌日は急に冷え込むこともあり,体調管理に気をつけたいところです。
 受験生の皆さんは,そろそろ第1回の共通テスト模試&記述模試の結果が返ってくる頃ではないでしょうか。この時期の模試はまだ結果に一喜一憂する必要はありません。自身の弱点を把握して,夏に向けてその克服を意識して学習に取り組むことが大切です。

 さて,今回はメディカルラボの物理講師の小林太士先生に,23年度入試の傾向を分析していただくとともに,医学部を目指す上で必要な物理学習のポイントについてアドバイスをいただきました。

2023年度の大学入学共通テストを振り返る

 3年目となった2023年度の大学入学共通テスト(以下,共通テスト)ですが,理科②(物理)の平均点は63.39点で,2022年度と比べて上昇しました。共通テストでは,身の回りの自然現象や実験を題材にした問題も増えてきています。比較的イメージがつきやすく取り組みやすい問題が多く出題されていることが得点の上昇につながったと考えられます。
 第1問の小問集合は例年取り組みやすいものとなっているので,医学部受験生ならば完答を目指したいところです。第2問は空気抵抗に関する考察問題で,会話文の誘導に乗っていけば大丈夫だったと思いますが,似たような問題を解いておく必要があります。共通テストではありませんが,2022年度の広島大[前期]の大問Ⅲでも,「オームの法則」に関して2つのモデルのどちらが適しているのかを考えさせる問題が出題されていました。一度取り組んでみると良いでしょう。第3問で出題された円運動のドップラー効果は,2次試験でもたびたび出題されるテーマです。第4問はコンデンサーの問題でした。第2問と同様に会話文形式の問題で,こちらも比較的取り組みやすかったのではないでしょうか。コンデンサーの基本知識があれば乗り越えられた受験生も多いはずです。
 共通テストの物理は,2021年のスタート時からこれまで傾向がそれほど変わっていないのが現状です。今後傾向が変わる可能性もありますが,日頃の学習から「真理を追究」することで対応できます。「なぜ?」と思ったらしっかり調べて理解するようにしましょう。

 

私立医学部の出題傾向

 私立医学部は難関大とそれ以外でやや傾向が異なっています。
 難関大の出題状況を見ると,例年と同様にレベルの高い問題が出題されています。単科大学の東京慈恵会医科大は,例年状況把握が難しい問題を出題しており,2022年度は「骨や生命物質」を題材とした問題でした。多くの受験生にとって馴染みのないテーマで,状況把握が難しかったと思われます。
 一方,難関大以外では標準的な出題が多いのが現状です。2023年度の出題状況を見てみると,昭和大[Ⅰ期]の第1問は2つの動滑車を用いた問題でした。初見の生徒もいたかと思いますが,動滑車の考え方をそれぞれの滑車に適用できれば乗り越えられる問題です。また,藤田医科大[前期]の第3問では,「定常波の式の導出」が出題されました。毎年のようにどこかの医学部で出題される問題なので,必ず取り組んでおきましょう。原子分野の出題はあまり多くはありませんが,何も見ずとも実験の目的・結果の説明はできるようにしておくことが大切です。
 全体を通して言えることですが,標準的な問題集に掲載されているテーマがそのまま出題される大学(斜面上からの斜方投射〔東海大〕親亀子亀問題〔関西医科〕反射板のある場合のドップラー効果〔兵庫医科大〕など)も多いので,演習で1度取り組んだ問題は確実に定着させておきましょう


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