メディカルラボ通信
2025年4月号『医学部を目指すための学習アドバイス’25~数学編~』
2025.4.30 公開
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新年度が始まって約1ヶ月が経ちました。受験生の皆さんは気持ちを新たに志望校目指して勉強に勤しんでいることかと思います。
現役生の皆さんも,学年が1つ上がり,新しい環境や友人とともに学校生活を満喫できているのではないでしょうか。
今回はメディカルラボの数学講師の松岡和哉先生に,24年度入試の傾向を踏まえ,医学部を目指す上で必要な数学学習のポイントについてアドバイスをいただきました。
現役生の皆さんも,学年が1つ上がり,新しい環境や友人とともに学校生活を満喫できているのではないでしょうか。
今回はメディカルラボの数学講師の松岡和哉先生に,24年度入試の傾向を踏まえ,医学部を目指す上で必要な数学学習のポイントについてアドバイスをいただきました。
CONTENTS
大学入学共通テストの出題傾向
令和7(2025)年度の大学入学共通テスト(以下,共通テスト)では新課程に伴って何点か変更されました。
数学①【数学Ⅰ・A】は『場合の数・確率』が必須となり,選択問題がなくなりました。また,新課程で『データの分析』に追加された「外れ値」,「仮説検定」,『場合の数・確率』に追加された「期待値」がすべて出題されました。丁寧に誘導をつけた問題が多く出題されており,誘導に従って設問に答えた後,その流れを踏まえて別設定の問題に取り組ませるという傾向も例年通りでした。日常生活をテーマにした問題としては,第2問で噴水の描く放物線の高さを考える問題(『2次関数』)が出題されていました。
数学②は【数学Ⅱ・B・C】に変わり,第1問~第3問が必須で,第4問『数列』(数学B),第5問『統計的な推測』(数学B),第6問『ベクトル』(数学C),第7問『平面上の曲線と複素数平面』(数学C)の4題から3題選択となり,それに伴って試験時間が10分伸びて70分になりました。第1問『三角関数』で出題された方程式は「知っている数なら解ける」のレベルで止まっていた受験生は苦労したと思われます。第4問『数列』では格子点が出題され,こちらは入試では有名な問題だったので取り組みやすかったのではないでしょうか。第5問・第6問は誘導が丁寧だった印象です。第6問については『複素数平面』のみからの出題で,『平面上の曲線』からの出題はありませんでした。
国公立大(2次試験)の出題傾向
国公立大の2次試験の出題内容を見ると,難度が大きく変化した大学はみられませんでしたが,数学Ⅲの極限と積分の融合問題,数学Cの複素数平面からの出題が例年よりは多かった印象です。また,東京大,京都大などは共通テストの出題範囲から除外された「整数」分野から証明問題が出題されていました。整数問題は旧課程で学習指導要領に組み込まれる前から出題されている分野なので,今後も出題が続くことが予想されます。特に証明問題は難度が高いことが多いので,しっかりと対策しておくことが必要です。