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2021年2月号『大学入学共通テストを振り返る/医学部入試と「学力の3要素」』

2021.2.20 Updated
 今月よりWebコンテンツとしてリニューアルした「メディカルラボ通信」。
 今回はメディカルラボ情報研究所 所長の山本雄三氏に,先日実施された「大学入学共通テスト」を振り返っていただくとともに,今後の医学部入試において重要なキーワードとなる「学力の3要素」について解説していただきました。

大学入試改革が始まった!

 2021年度の大学入試(大学入学者選抜)から,いよいよ大学入試改革が始まりました。これは実に30年振りに実施されることになった「高大接続改革」と呼ばれる教育改革の一つです。中でも,大学入試センター試験(以下,センター試験)が大学入学共通テスト(以下,共通テスト)に変更されたことはご存じかと思います。これは単なる名称の変更ではなく,大学入学共通テストの目的は「大学教育を受けるために必要な能力の測定」であり,これまでの「知識・技能」中心の評価から「思考力・判断力・表現力」を中心とした評価に変わりました。
 また,大学が行う個別選抜においては,従来も「思考力・判断力・表現力」を中心に評価していましたが,新たに「主体性・多様性・協働性」が評価項目として加わりました。各大学は「学力の3要素」と呼ばれる①知識・技能,②思考力・判断力・表現力,③主体性・多様性・協働性を多面的・総合的に評価する試験を導入・拡大することとなりました。

 

大学入試改革の概要
図1 大学入試改革の概要

共通テストとセンター試験の違いとは?

 初めての共通テストが2021年1月に実施されましたが,受験生にとっては実に波乱含みだったと思います。
 まず2019年11月に,共通テストの目玉であった「英語の民間試験の活用」の2020年度からの導入が見送られ,2024年度からの実施を目指すこととなりました。さらに同年12月には,同じく目玉とされていた「国語や数学の一部での記述式導入」も採点の公平性が確保できないことなどを理由に見送りとなりました。また,2020年の1月から続く新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて,全国の高校や塾・予備校などは休校を余儀なくされ,授業進度に少なからず支障が出ました。このような状況下で,初めての共通テストは実施されたのです。
 さて,共通テストとはどのような試験なのか。これまでのセンター試験と比較しながらポイントを押さえていきます。下の表は両者の違いを簡単に説明したものです。
大学入試センター試験と大学入学共通テスト
表1 大学入試センター試験と大学入学共通テスト
 この表を見る限り,「求められる力」以外に大きな違いはないように見えますが,この「求められる力」が非常に重要です。
 これまでのセンター試験では,「知識・技能」(基礎学力)を中心に評価されていましたが,共通テストは「思考力・判断力・表現力」(応用力)を中心とした評価に変わりました。従来の暗記中心の学習や,ただ単に公式を覚えているだけという学習では対応できない問題が増加することとなりました。

「思考力・判断力・表現力」を評価する共通テストとは?

 従来のセンター試験の問題は,問題全体をざっと眺めることで問題の概要が分かり,それまでの受験勉強の中で一度は解いた経験のある問題が多かったと思います。
 一方,共通テストは問題文を熟読しないと何を問われているのか分からない問題もあります。共通テストの問題は,センター試験のときには余り見られなかった以下のような特徴があります。
  • 複数の情報を組み合わせて考える問題
  • 会話文形式の問題
  • 日常生活の場面に即した問題
  • 複数の正解を全て選ぶ問題
  • 前の問題の内容が次の問題の内容と連動する問題
このように共通テストは多くの点で変化しましたが,医学部を志望する受験生はこれまで通り高得点を求められます。


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