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メディカルラボ通信

2021年3月号『医学部を目指すための学習アドバイス~英語編~』

 2021.3.22 Updated
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 2021年度入試も終わり,次年度の入試に向けて準備を始める時期となりました。
 今回はメディカルラボの英語講師の国定誠先生に,2021年度入試の傾向を分析していただくとともに,医学部を目指す上で必要な英語学習のポイントについてアドバイスをいただきました。

 

共通テストの英語はセンター試験からどう変化したのか

 初めての大学入学共通テスト(以下,共通テスト)が実施されました。これまでの大学入試センター試験(以下,センター試験)は,いわゆる「学力の3要素」のうち,「知識・技能」中心のテストでした。共通テストは「思考力・判断力・表現力」をより重視した新しいテストになるとの触れ込みでしたが,実際はどうだったのでしょうか。
学力の三要素
図1 学力の3要素
 英語における変更点は,大問1・2で出題された発音と文法や語彙に関する問題が消え,すべて読解問題となった点です。これは平成29年と30年に実施された試行調査(プレテスト)の出題内容からある程度予想できたものの,試行調査とは異なる点もありました。
 まず読解量が大幅に増加したことにより,「思考力」よりも「判断力」が重視される内容でした。さらに,試行調査で出題されていた「当てはまる選択肢をすべて選ばせる形式」の設問がなくなったため,正答率が上がりました
 これらの変更点を見ると,本来なら「知識・技能」に加えて「思考力・判断力・表現力」を問うはずだった共通テストが,「知識・技能」を削った「判断力」中心の読解問題となってしまったと言えます。特に「知識」の出題が少なくなったことで,勉強としての「英語」から手段としての「英語」へと移行したと感じます。もちろん,知識より運用能力が重視されることは当初の目的通りですが,日常的に英語を使用する頻度や英語に対する興味の度合いといった,学問とは関連性のない要素が得点を左右することは,経済的格差や地域格差といった観点からすると好ましいとは言えません。今後改善されていくとは思われますが,読解量を減らし,思考力や表現力が要求される問題を作る工夫がなされていくことを期待したいものです。

国公立医学部の個別学力試験における英語

 英語の運用能力を重視する共通テストとは異なり,国公立医学部の個別学力試験では「表現力」,「思考力」,「知識」が問われました。ある意味,共通テストでは調べきれなかった側面を補うテストであったと言えます。そもそも,大学入試の問題は受験生が講義,議論,研究,論文作成など,大学入学後に必要な活動を行う上で十分な能力を有するか調べるものです。そのため,個別学力試験では読解問題は論説文,英作文問題は自由英作文中心の出題となっています。しかし,この傾向はセンター試験の時代からあるもので,共通テストの導入によって変化したものではありません。ただ,共通テストが日常的な話題についての読解問題中心の出題だったため,学術的論文の読解や,文法を意識しながら書く必要がある自由英作文は,センター試験の頃よりも難しく感じてしまう可能性があります。
 多くの国公立大では,英語は他学部との共通問題となっているため,長文のテーマは医療科学系だけではなく,人文系社会系の英文も取り上げられます。しかし,単科医科大となると話は別です。例えば浜松医科大学では「新型コロナウイルス」や「VRの治療への応用」といった医療系の長文のみが出題されているので要注意です。
 文法に関しては,読解問題の一部として,前置詞や動詞の空所補充または語句整序が問われることはありますが,私立医学部で頻出の「短文空所補充形式で文法知識のみを問う設問」は出題されません。とは言え,自由英作文などでは文法の誤りは減点対象となるため,正確な文法の知識は不可欠です。その一方で,最近は語彙の重要性が高まっています。空所補充や同意語選択で語彙力が問われますが,ただ単に多くの意味を知っていればよいというわけではなく,各品詞の語法やコロケーションの知識がないと正解できないものや,知識よりも文脈判断を優先するものがあることに留意しましょう。


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