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「医学部入試合格ガイダンス」2015年度入試 入試直前対策編

●VOL.16メディカルラボ東京お茶の水校  東日本エリアマネージャー/東京お茶の水校校舎長 佐分篤史

[2015/02/12]


プロフィール
名古屋の大手予備校にて、高卒生の看護・医療コースを担当する傍ら英語講師として教鞭も振るう。メディカルラボの新規開校に携わるとともに、メディカルラボ本部教務統括を歴任。メディカルラボ大阪校校舎長就任後、メディカルラボ西日本エリアマネージャーを歴任。現在は、メディカルラボ東京お茶の水校の校舎長・メディカルラボ東日本エリアマネージャーを担当。

はじめに ~医学部合格までのスケジュール~
国公立大学の入試の仕組み


 
まずは医学部に合格するための入試スケジュールについて確認してみましょう。
 
はじめに国公立を簡単に説明しますと、一般入試の二次試験は「前期日程」と「後期日程」にわかれています。前期日程というのはどういうものかと言いますと、2月25日に前期試験がありますが、こちらの日程で受験される方を「前期日程」と言います。3月12日の後期試験、そちらで受験される方が「後期日程」です。

国公立の場合は必ず「センター試験」というものを受験して、センター試験のあとに各大学が実施する「二次試験」と合計した得点の上位者から合格ということになります。

ご存知の方も多いと思いますが、注意事項があります。国公立の場合は、前期1大学、後期1大学しか出願することができません。前期で合格した場合は、後期の入試をすることはできないということですね。


私立大学の入試の仕組み


私立大学も日程が前期、後期とわかれています。ただ、国公立と違うところは、前期、後期とわかれていても、これは単純に入試時期が違っているだけです。前期というのは、だいたい1月後半から2月前半に行われる入試を指します。2月の後半から3月に行われる入試を後期とよんでいます。

私立大学は国公立と違って、出願すればしただけ受験することができます。「体力が続く限り受験ができる」というのが私立大学の受験です。

まず、私立大学には一次試験というものがどの大学にもあります。一次試験というのは「学科」ですね。その学科を通過した者のみが二次試験に行くことができます。二次試験では「小論文・面接」を受けます。その小論文、面接までをクリアした方が晴れて合格ということになります。

また、センター利用という試験方法があります。センター利用とはどういうものなのかと言いますと、一次試験の学科試験をセンター試験の得点で判定しますよ、ということです。センター試験の得点で通過した人が、二次試験で小論文、面接を受けまして、それも通った人が合格、ということになります。

私立大学には、国公立大学と違って「補欠者の繰り上げ合格発表」というものがあります。国公立と私立では、少し合格発表というものが違ってきますよ、ということです。
 

私立大学の「補欠合格」と「繰り上げ合格」

私立大学の合格には三種類あります。「正規合格」「補欠合格」「繰り上げ合格(追加合格)」の三つです。

「正規合格」とはどういうものかと言いますと、合格発表当日に「合格ですよ」と発表されるものです。国公立の場合はほとんどが正規合格というふうになりますが、私立大学の場合は出願すればするだけ受験できるシステムのために、辞退者が出ることを想定して「補欠合格」というものを出します。例えば、5大学を受験して、3大学で合格したとします。ですが、進学するのは1校ですよね? 残り2校は辞退ということになりますが、各大学ともそういった辞退者が出ることを想定して、定員よりも多めに合格者を出しています。しかし、それでも定員を下回ってしまう場合があります。その場合に備えて「補欠合格」というものを出します。

「正規合格」と「補欠合格」の違いは、「正規合格」は「その大学に入学できますよ」という権利を得ているものに対し、「補欠合格」はその大学に入学する権利はまだ得ていませんよ、ということです。大学によっては、「正規合格者は受験番号何番です、補欠合格は何番です」という風に発表する大学もあります。

「補欠合格」をもらっても、まだその大学に入学できる権利はありません。では、補欠合格となった後に、どのように大学に入学する権利を得ていくのかということについて説明します。それが「繰り上げ合格」です。「繰り上げ合格」とは、補欠合格者の中から繰り上げて選ばれる合格者で、入学を許可される者です。

「繰り上げ合格」というのはどのように発表していくのか? まず「補欠合格者ですよ」と通知をもらっていることが前提です。大学によって方法はバラバラですが、正規合格が発表されると、後日「あなたは正規合格ではないけれども、補欠合格ですよ」という通知が届きます。その通知をもらっている方に対して、また別日に「繰り上げ合格になりましたよ」という通知が届く場合があります。それで「入学するかどうか判断してください」という方式がひとつあります。また、入学直前期になると、大学から直接電話がかかってくるケースもあります。その場合、「繰り上げ合格になりましたが、入学しますか?」と即答を求められることもあります。
 

繰り上げ合格はいつまでに決まるのか?

よく「繰り上げ合格っていつまでに決まるんですか?」というご質問を受けるんですが、あくまでも我々が目安としてお伝えしているのは3月31日です。これを繰り上げ合格の目安、という風に言います。年度が変わってしまいますので。実際に3月30日に電話がかかってくるケースはあります。

大学によっては入学式の直前まで繰り上げ合格を出す大学もあります。西日本の大学に多いのですが。例えば、4月6日に入学式をします、4月5日に繰り上げ合格がまわってきましたということが、私の担当していた学生にありました。「佐分さん、どうしましょう。繰り上げ合格がまわってきました」という電話をもらいまして、それを辞退して、もう一年浪人するよりは入学しましょうという話になりました。その学生は大阪校の生徒でしたが、大学は愛知県にありまして、通うことはできないじゃないですか。住む場所がないという状況で入学式を迎え、しばらくホテル暮らしをしてもらって、その間に住居を探して…というようなことがありました。なので、本当に入学式直前まで繰り上げ合格をまわすという大学はありますが、あくまでも3月31日が目安と考えてもらえればよいと思います。
 

繰り上げ合格の実際~大学の本当の難易度~


それでは、繰り上げ合格の実際をみてみましょう。東京慈恵会医科大学を例にみてみましょう。定員は110人ですが、あらかじめ辞退者が出ることを予想して、155人と多めに合格者を出しています。合わせて、補欠合格者も発表しています。補欠合格者は269名。そのうち、繰り上げ合格者は152名です。

次に北里大学をみてみましょう。定員89名に対して、あらかじめ正規合格者を多めに125名出しています。補欠合格は138名。繰り上げ合格者は97名発表しています。

こういうことに気がつきませんか? 「正規合格者はその大学にほとんど入学していない」ということが見えますよね。皆さんは受験校を決めるときに難易度や偏差値を見ると思いますが、その偏差値というのはほとんど正規合格者によって計算されています。しかし、ほとんどの方は繰り上げ合格でその大学に入学しているということを考えると、実際の難易度は発表されている数字よりも、もう少し易しくなっているんじゃないかなと考えることができます。

先ほど、補欠合格というのは入学する権利を得ていない合格ですよということを申し上げましたが、大学によってはかなりの繰り上げ合格を出しています。補欠合格を3つの大学でもらっていますよ、というとどこかの大学から合格がまわってくる可能性も高くなります。正規合格を狙うだけではなく、補欠合格がたくさんある状況を作るということも、入学する権利が得やすくなるポイントと言えます。 一覧へ戻る